バンコクの賃貸オフィス動向-ナイトフランクレポートより
ナイトフランク・タイランドの分析によれば、バンコク中央業務地区(CBD)に位置するシーロム・サトーン・ラマ4地区のオフィス賃貸料は四半期対比で7.5%増加し、CBD内で最も高い成長を示している。
この地区におけるOne Bangkokの竣工により、バンコクのオフィススペースの総面積は631万平方メートルに拡大された。近年、バンコクの都市景観を一変させる大規模複合利用開発が増加しており、都市の様相は大きく変わりつつある。
2030年までに従業員数が大幅に増加すると予測される企業は64%に達し、不動産の拡張を計画している企業も半数以上である。これらのデータから、タイにおける高性能オフィススペースへの需要は増加し続けることが予測され、その開発はさらに進むことが必然である。
各エリア別のオフィス供給動向
CBD地区では平均賃貸料は四半期対比で2.4%増加し、月額964バーツに達した。しかしながら、稼働率は75%に留まり、四半期対比で3.2%の減少が見られた。One Bangkokの完成により約20万平方㎡のオフィススペースが追加され、周辺地域の平均賃貸料も上昇している。
シーロム・サトーン・ラマ4はCBD内で最も高い賃貸料を記録し、四半期対比で7.5%増加。平方メートルあたり969バーツになった。ただし、稼働率は6.9%減少し、73%に落ち込んだ。
非CBD地区では、平均賃貸料が四半期対比でわずかに0.2%増加し、平方メートルあたり665バーツになった。一方、平均稼働率は改善され、四半期対比で1.9%増加して77%になった。特にペッチャブリー・ラマ9・ラチャダは非CBD市場で最高の稼働率を記録した。
バンナー・シーナカリンでは、賃貸料が四半期対比で1.0%増加し、平方メートルあたり618バーツになり、稼働率は3.8%増加して69%になった。
CBD地区では賃貸料が上昇しているものの、稼働率が低下していることから、新しいオフィススペースの供給が需要を上回っている可能性が示唆される。
対照的に、非CBD地区では賃貸料が安定して上昇し、稼働率も改善していることが確認されており、オフィス市場の二極化が進行していると言える。
Source:
- https://www.nationthailand.com/blogs/business/property/40043968
- Knightfrank Marketing Research
- https://www.nationthailand.com/business/property/40044399
GDM編集部