クルンシリリサーチによる最新調査によれば、タイのオフィス賃貸市場は2025年から2026年にかけて回復する見通しである。この回復は、タイの経済成長率が3~4%と予測されていることに強く関連している。
多くの企業が従来型のオフィスとリモートワークを組み合わせたハイブリッドオフィスモデルを採用するとみられ、オフィス需要は年間1~2%の緩やかな増加が見込まれる。
パンデミック前の水準には未だ及ばないものの、特にサービス業やコワーキングスペースなどの分野における経済回復と雇用増加を示唆する内容である。
バンコク中心業務地区(CBD)では、特にグレードAおよびA+の高品質オフィススペースに対する需要が高まると予測されている。
外国人テナントの動向とニーズ
タイのオフィス市場の60%を占める外国人テナントは、以下のバンコク主要地区(CBD)におけるエコ認証済みかつモダンなオフィススペースを求めている。
- シーロム
- サトーン
- プルンチット
- ワイヤレスロード
- スクンビット1〜24まで
テナントは最新設備を備えた新築ビルへの移転を進めており、持続可能性や健康志向を重視している。
具体的には、高性能空調システム、エレベーター、緑地やフィットネスエリア、BTS/MRT駅への近接性が重要な要素となっている。
需要と供給の変化
ナイトフランクタイランドの調査によると、2022年から2024年にかけてバンコクのオフィス占有スペースにおける需要と供給に変化が見られる。特にCBDおよび非CBD地区での変動が注目されている。
四半期別データ:
「グリーンオフィス」の人気と持続可能性
エネルギー保全、環境保護、健康、デジタル接続などで認証されたグローバル基準に準拠した「グリーンオフィス」ビルが特に注目されている。これらのオフィスは企業の持続可能性目標に適合しているため、高い需要を集めている。
JLLタイランドの調査によれば、タイのオフィステナントの96%が2030年までに製品やサービスを完全にエコフレンドリーにすることを目指している。2024年時点では17%にとどまるものの、今後大幅な増加が予想される。ESG(環境、社会、ガバナンス)は現在、オフィス賃貸の意思決定において最重要要素となっている。
賃貸市場の競争激化と借主の優位性
バンコクの賃貸市場では、高品質かつエコフレンドリーなオフィススペースの増加により競争が激化している。新築スペースの80%がグリーン認証済みの高グレードビルになる見込みであり、古い物件の所有者はテナントを維持するために改修を迫られている。
Source:
Knight Frank Report
Office rental market expected to ride Thai economic recovery
GDM (Thailand) Co., Ltd.
GDM編集部