バンコクの不動産投資、CBD離れが加速──郊外鉄道沿線に熱視線
バンコクの土地市場が新たな投資サイクルに入りつつある。地価が高騰した中心業務地区(CBD)を敬遠したデベロッパーや投資家の関心が、新設・延伸中の電車路線沿いの郊外エリアへと移行しており、今後5年で最も成長が期待されるのはオレンジライン東側区間だという。
複数の新路線開通がバンコクの地価マップを塗り替えつつある中、大手デベロッパーは今後5〜10年の都市拡張を見据えて郊外での用地取得を加速。プルンチット、スクンビット、シーロム、サトーンといった都心の一等地は依然として最高水準の地価を維持しているが、「値上がり余地は郊外鉄道沿線のほうが大きい」との見方がアナリストの間で広がっている。

オレンジライン東側区間が最有望
タイ文化センター〜ミンブリー間を結ぶオレンジライン東側は、最も注目度の高い投資回廊だ。ラムサリ駅周辺はオレンジ・イエロー・計画中のブラウンラインが交差する交通ハブとなる見通しで、東バンコクでのコンドミニアム・商業施設開発需要を牽引すると見られている。
地価はこれまで年平均約6%上昇しており、ラムサリ駅周辺では一部期間に2桁成長を記録。現在の地価はラムクワンハン〜ミンブリー間で1ワーあたり約15万〜50万バーツで、路地内はまだ10万バーツ以下の物件も残っている。
ピンクライン・パープルライン南側延伸も注目
ピンクライン沿いのミンブリー、ラムイントラ、クボン周辺は、開通済みにもかかわらず地価がまだ長期ポテンシャルを十分に反映していない段階にある。都心比40〜60%安の水準(1ワーあたり約8万〜30万バーツ)が、バイヤーとデベロッパー双方を引きつけている。
一方、タオプーン〜ラットブラナを結ぶパープルライン南側延伸はトンブリー地区の「ゲームチェンジャー」と目される路線。ウォンウィエン・ヤイやサムレ周辺ではすでに先行した地価上昇が見られ、現在1ワーあたり約12万〜40万バーツの水準から、本格開通後5年以内に20〜40%の上昇が予測されている。
グリーンライン延伸・北側回廊も長期視点で有望
グリーンライン延伸によるサムットプラカーン〜バンプー方面は、EEC(東部経済回廊)の産業・物流拡張を背景に一部期間で年20%超の地価上昇を記録した実績を持つ。現在は1ワーあたり約7万〜25万バーツと、ベアリングやオンヌットより大幅に低い水準にある。
北側では、グリーンラインとモーターウェイ網を持つクーコット〜ラムルッカーエリアが台頭中。地価は1ワーあたり約3万〜12万バーツと手頃な水準を維持しており、中間所得層向け住宅プロジェクトが成立するコスト帯だ。今後10年で北バンコクの主要成長ゾーンになるとの見方がある。

都心の土地は希少・高騰が続く一方、新たな鉄道インフラ沿線への投資は、平均以上のリターンを狙うデベロッパーと投資家にとっての中核戦略となりつつある。
出典:The Nation Thailand(2026年6月8日)

GDM編集部







