
ラノーン港、輸出入200%増で拡張計画
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タイ運輸省は、ラノーン港における輸出入量が200%増加したことを受け、施設とサービスの拡充を計画している。この取り組みは、政府の「南部経済回廊(SEC)」推進政策と、タイの物流を国際基準に適合させる方針に沿ったものだ。
ミャンマー情勢の影響で利用が急増
タイ運輸副大臣によると、2024年1月以降、ラノーン港を経由する輸出入量が急増している。これは、ミャンマーのミャワディおよびタチレク地域での治安悪化や詐欺コールセンター組織の活動が影響している。これにより、企業はターク県のメーソート検問所やチェンライ県のメーサイ検問所の利用を避け、ラノーン港へシフトする動きが加速した。
施設拡張とサービス向上へ
タイ港湾局(PAT)の管理下にあるラノーン港は、輸送量の増加に対応するため、コンテナヤードの拡張と施設のアップグレードを進める方針だ。これにより、港湾サービスの効率化が図られ、さらなる成長に向けた基盤が整う。
PATの報告によると、ラノーン港は特に家畜飼料用トウモロコシの輸入やセメントの輸出において、2024年1月以降、取引量が増加している。
2024年度の実績と2025年度の展望
2024年度(2023年10月〜2024年9月)
- 船舶の寄港回数:69%増の281隻
- コンテナ取扱量:111%増の2,796コンテナ
- 貨物取扱量:251%増の32万4,933トン
2025年度第1四半期(2024年10月〜12月)
- 船舶の寄港回数:91%増の61隻
- コンテナ取扱量:458%増の2,002コンテナ
- 貨物取扱量:26%増の2万1,294トン
アンダマン海の海上商業拠点へ
PATの局長は、ラノーン港の成長がタイ経済と物流産業の拡大を反映していると指摘する。特に、タイの主要輸出市場であるミャンマーとの連携が強化されることで、同港はアンダマン海沿岸の海上商業拠点となる可能性が高いと述べた。
現在、ラノーン港は2つの埠頭を運営している。
- 多目的埠頭:最大500総トンの貨物船に対応
- コンテナ埠頭:最大12,000載貨重量トン(DWT)の船舶を受け入れ可能
ラノーン港の発展は、タイの物流ハブとしての地位をさらに強化するものとなる。今後の施設拡張とサービス向上により、タイの輸出入拠点としての重要性がさらに高まる見込みだ。
Source:
https://www.nationthailand.com/business/trade/40047196
https://www.statista.com/statistics/1452454/thailand-total-throughput-at-ranong-port/

GDM編集部