2025年のタイ投資申請額が過去最高の1.8兆バーツを突破 ― デジタル産業が全体の約5割
タイ投資委員会(BOI)は、2025年(1月〜12月)の投資奨励統計を発表した。投資奨励申請ベースの総額は約1兆8,766億バーツに達し、前年比で67%増という驚異的な伸びを記録した。プロジェクト数も11%増の3,370件に上り、タイが東南アジアにおける戦略的な投資先として盤石な地位を築いていることが浮き彫りとなった 。

証書発行ベースでもシンガポールが首位、日本は4位

実投資の確定を示す投資奨励証書の交付ベースで見ると、FDIの総額は8,296億2,500万バーツに達している 。国別動向においても、デジタルインフラへの投資を主導する国々が上位を占めた。
シンガポール(1位): 3,615億9,000万バーツを記録し、実投資確定段階においても最大の投資国となっている 。
中国(2位): 1,548億7,600万バーツで第2位に浮上。申請件数のみならず、プロジェクトの具現化においても強い勢いを見せている。
香港(3位): 1,085億300万バーツでこれに続く。
日本(4位): 478億2,400万バーツとなり、第4位の位置につけている 。


デジタル産業の「爆発的成長」が牽引

今回の統計で最も注目すべきは、デジタル産業セクターの躍進である。デジタル産業への申請額は6,258億3,200万バーツに達し、前年比で184%(約2.8倍)もの急成長を遂げた 。
この躍進の背景には、これまで弊社でも報じてきたデータセンターや次世代エネルギー分野への巨額投資がある。主なプロジェクトは以下の通りである。
データセンターインフラ: 米グーグル(Google)による327億6,000万バーツ規模のデータセンターおよびクラウドリージョン建設を筆頭に、中国の北京浩陽雲数科技(Beijing Haoyang)による約727億バーツ、Stratus Technologyによる237億バーツ、ドバイ拠点のDAMAC Digitalによる267億バーツ など、ハイパースケール施設の承認・計画が相次いでいる。
周辺産業とストレージ: プリント基板(PCB)世界最大手の台湾・臻鼎科技(Zhen Ding Tech Group)による約650億バーツの合弁投資や、ウエスタンデジタル(Western Digital)による235億バーツのHDD生産能力拡張も承認され、ハードウェア面での供給網も強化されている。
次世代バッテリー: 2025年3月には、中国の欣旺達(Sunwoda)に対し、タイ初となる大型バッテリーセル工場設立のための500億バーツ規模の投資が承認された。これはEVおよびクリーンエネルギー産業のサプライチェーンを抜本的に強化する案件として期待されている。
期待される経済波及効果
BOIは、2025年の投資プロジェクトにより、約23万人のタイ人新規雇用が創出されると試算している 。また、国内原材料の活用や輸出額の増大を通じ、タイの経済構造を従来の労働集約型から高付加価値型へと転換させる「タイランド4.0」の実現に大きく寄与する見通しだ。
出典: 2025年(1月~12月)外国直接投資(FDI)累計統計

GDM編集部







