
タイの自動車生産、4年ぶりの低水準に—2025年は回復見込み
タイ工業連盟(FTI)は2025年1月28日、2024年のタイの自動車生産台数が前年比20%減少し、4年ぶりの低水準となったことを発表した。国内販売と輸出の低迷が影響したものの、2025年は2%の回復が見込まれている。
2024年の生産動向
FTIのデータによると、2024年の自動車生産台数は147万台にとどまり、2023年の184万台から大幅に減少した。特に12月は前年同月比で17.4%減の10万4,878台となり、17カ月連続で前年割れとなった。
FTI自動車産業クラブによれば、国内販売は26.2%減の57万2,675台と、過去15年で最低の水準に落ち込んだ。これは、銀行が高水準の家計債務を背景に自動車ローンの審査を厳格化したことが要因とされる。また、地政学的リスクや電気自動車(EV)との競争激化、各国の厳格な炭素排出規制も影響を及ぼした。
2025年の見通し
2025年の自動車生産台数は150万台と予測されており、そのうち100万台が輸出向け、残りが国内市場向けとなる見込みだ。政府のインセンティブ制度に基づくEV生産の増加や、景気刺激策による販売回復が生産増を後押しするとみられる。
高級車市場と税制改革
一方、タイの高級車市場も低迷が続いた。今月初め、ある高級車輸入業者は、2024年の国内販売台数が前年の4万台から3万台へと25%減少したと報告した。景気の低迷により、購入を見送る消費者が増えている。
また、物品税局は、自動車税制の再編を進めており、内燃機関(ICE)車からEVや水素自動車などの次世代モビリティへの移行を支援する方針を示している。
2024年は自動車業界にとって厳しい一年となったが、政府の支援策や市場の回復により、2025年は改善の兆しが見え始めている。
Source:
https://www.bangkokpost.com/business/motoring/2949236/thailand-car-production-down-20-in-2024
https://www.thaiwebsites.com/cars-thailand.asp
https://www.mreport.co.th/en/news/statistic-and-ranking/753-car-production-thailand-2023-december

GDM編集部