
外国資本流入でEECの土地価格が急騰、2025年第1四半期に外国直接投資額470億バーツ超
タイ東部経済回廊(EEC)において、工業用地および不動産投資が引き続き活況を呈している。2025年第1四半期には、外国からの直接投資の流入が470億バーツに達し、前年同期比31%増を記録したと、タイ不動産情報センター(REIC)が報じた。
現在、EEC政策委員会は、ドンムアン・スワンナプーム・ウタパオの3空港を結ぶ高速鉄道の計画変更を進めており、ウタパオ空港を地域航空のハブとする構想も並行して進行中だ。信号システムの設置を含めた建設期間は3〜4年を見込み、2029年の運用開始が予定されている。

中国・日本・シンガポールからの投資が成長を牽引
住宅用・工業用の双方において、外国人投資家の関心が高まっており、とくに中国、日本、シンガポールからの土地取得が目立つ。これにより、EEC内の複数の県で土地価格が大幅に上昇している。
中でもラヨーン県は、生産拠点の移転やインフラ整備の進展を背景に、土地価格指数が前年同期比43.5%増の259.2ポイントと最大の上昇を記録。続くチョンブリー県は、パタヤの住宅市場の活況を受けて33.6%増の468.4ポイントとなった。一方、チャチューンサオ県では住宅用地の需要減により、土地価格指数が13.5%減の161.0ポイントとなっている。
土地価格上昇率 上位5地域(前年同期比)
・チョンブリー県バンラムン郡:+126.5%
・チョンブリー県シラチャ郡:+88.6%
・ラヨーン県バンカイ郡:+47.9%
・チョンブリー県ムアン郡:+33.5%
・ラヨーン県プルアクデーン郡:+11.2%
住宅部門は一時的な減速も、回復基調へ
2024年12月末で住宅取得支援策が終了した影響で、住宅ユニット数と総額はそれぞれ前年比0.8%減、0.5%減となった。しかし、2025年には政府の新たな支援策により、住宅開発許可数や土地分譲の回復が見込まれている。
REICの予測によれば、2025年には住宅引き渡し件数が2.4%増加し、土地分譲および住宅建設への投資もそれぞれ22.7%、2.5%の成長が見込まれている。
出所:
3空港高速鉄道計画の概要(Messe Frankfurt)
EECの地価上昇と外国投資に関する報道(The Nation)
REICプレスリリース:2025年第1四半期の不動産市場動向
タイで最も地価が上昇した地域は?(Real Estate Asia)

GDM編集部