
タイ経済の低迷を尻目に急成長ーShopeeとLazada、2024年に過去最高売上を記録
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タイ経済が減速する中、東南アジアを代表するECプラットフォームであるShopee(シンガポール)とLazada(中国)が、2024年に過去最高となる売上を記録した。Credenのデータによると、両社の合計売上は782.55億バーツ、純利益は54.67億バーツに達した。
Shopee、単独で約500億バーツの売上を計上
特に目立ったのはシンガポール資本のShopeeであり、売上は499.64億バーツ、純利益は46.3億バーツと、タイ市場参入以来で最も成功した年となった。
一方、Lazadaも負けてはおらず、売上282.91億バーツ、純利益は8.36億バーツを記録。コスト管理の徹底とプラットフォームの効率性向上により、着実に収益体質を改善している。
成功の要因:価格戦略・物流制御・テクノロジー投資
ShopeeとLazadaがこの困難な経済状況下で好業績を叩き出せた背景には、以下のような複数の要因がある。
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価格・プロモーション戦略
大幅な値引き、フラッシュセール、送料無料バウチャー、大型クーポンなどの施策により、消費者の購買行動をオフラインからオンラインへと転換させることに成功した。 -
物流の内製化と統制
Shopee Xpress(SPX)やLazada Logisticsなど、自社配送ネットワークを通じて配送品質とコスト管理を実現。他の小規模競合との差別化に成功している。 -
テクノロジーによるパーソナライズ
AIとビッグデータ分析への多額の投資により、消費者行動の把握と商品表示の最適化が可能となり、コンバージョン率の向上に繋がっている。
タイEC市場の勢力図:Shopeeがシェア49%で首位
シンガポールのビジネスコンサルティング会社Momentum Worksによる「Southeast Asia Ecommerce 2024」レポートによれば、タイのEC市場は約6,800億バーツ規模と推定されている。
この構図から見ても、Shopeeが圧倒的な首位を維持しているが、TikTok Shopが急速に台頭しており、Lazadaに対する競争圧力が高まっている。
タイ消費者の購買行動もオンラインシフトへ
タイ電子取引開発庁(ETDA)のデータによると、2024年におけるタイのEC市場規模は6,000億バーツを超えた。生鮮食品や衣料品、家電製品など、日常的な買い物がオンラインに移行している。これはCOVID-19パンデミックによって加速された変化であり、すでに一時的なトレンドではなく、定着した消費行動となっている。
出所:
https://www.nationthailand.com/business/economy/40050169
https://www.bangkokpost.com/business/general/2322714/lazada-shopee-jd-central-rack-up-losses-to-gain-users
https://www.bangkokpost.com/business/general/2814180/alibaba-rumoured-to-dump-lazada

GDM編集部