タイ、外国人事業法を改正へ―「名義貸し」投資の排除に向けて
タイ商務省は、外国人事業法(FBA、1999年制定)の包括的な見直しに着手した。これは同法制定から20年以上が経過して以来、最も大規模な改正となる。
今回の改正の主な目的は、外国企業が規制対象業種において所有規制を迂回するために利用してきた「ノミニー(名義人)」構造の解体と、制度上の抜け穴の閉鎖にある。商務省傘下の事業開発局(DBD)が現在、同法および関連規定の精査を進めている。
「循環出資」の抜け穴を封鎖

改正の重点課題の一つが、複雑な相互出資構造の排除だ。現行制度では、A社がB社の過半数株式を保有し、B社が再びA社の過半数を保有する「循環出資」が横行しており、当局はある企業が法律上の「外国人」に該当するかどうかを判断することさえ困難な状況に置かれている。この定義を明確化することで、外国投資家がタイ国内の法人を隠れ蓑に実質的な支配権を隠す行為を防ぐ狙いがある。
罰則の大幅強化
現行法では罰金が「ビジネスコスト」と見なされ、摘発後に別のノミニーを立てて新会社を設立するケースが後を絶たない。これを受けて商務省が提案している主な強化策は以下の通り。

資産没収:ノミニーを使って禁止業種を運営した者の資産を強制的に没収
「処罰の空白」の解消:許可証なしで事業を行った場合の刑事罰を明確化(これまでは訴追に必要な法的根拠が不足していた)
透明性の強化:非タイ登録企業に対し、経営陣や責任者の変更を当局へ報告することを義務付け
外国人規制の3層構造(参考)

FBAは外国人の参入規制を3段階に分類している。
リスト1(全面禁止)は稲作・土地取引・タイ薬草の採取など9業種で外国人に完全に閉ざされている。
リスト2(国家的利益)は国家安全保障・文化・環境に関わる13業種で閣議承認が必要。
リスト3(競争保護)は法律・会計サービスなど、タイ企業がまだ競合困難とされる21業種でDBD局長の許可が必要となる。
経済的な意義
商務省は、法的枠組みを強固にすることで健全な投資環境が整うと見ている。国内資本の保護と「真正な」外国直接投資(FDI)の促進のバランスを取ることで、技術移転や国内雇用の増加、研究開発の促進といった実質的な恩恵をタイ経済にもたらすことを目指している。
出典:Nation Thailand(2026年4月18日)

GDM編集部







