
タイのエアコン市場、2025年も加速:成長、競争、台頭する中国ブランド
世界有数の生産・輸出拠点国へ
2025年、タイは世界有数のエアコン生産拠点としての地位を確立した。
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2024年の生産台数は推定1,900万台に達し、中国・メキシコに次ぐ世界第3位のエアコン輸出国となった。
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輸出額は70.44億米ドルに達し、前年比9%増を記録。
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出荷先は主にアメリカ、欧州、ASEAN諸国、オーストラリア、日本など。
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窓用・壁掛け型エアコンだけでも2,100万台以上が輸出された。
主要プレイヤー
タイ東部経済回廊(EEC)では、ラヨーン県(工場数3,075以上、HVAC(暖房、換気、空調)関連労働者約19万6,526人)を中心に、チョンブリー県やチャチュンサオ県を含む産業集積地が形成され、タイの競争力を支えている。
主要メーカー:
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三菱電機、ダイキン、LG、ハイアール(Haier)、ミデア(Midea)
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ダイキンは地元生産を活かして市場シェアトップ
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三菱電機も住宅用・業務用で大きな存在感
市場動向の変化
日本ブランドは変わらず堅実な存在感
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三菱電機、ダイキン、パナソニックなどの日系企業は年間120万台超を出荷。
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ダイキンは地場生産を最大限活用し、国内外の需要に対応。
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三菱電機は市場シェアの30%を確保。
中国ブランドの急成長も
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ハイアール(Haier)、ミデア(Midea)、シャオミ(Xiaomi)など中国ブランドが参入。
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10~20%低い価格帯を武器に急速にシェア拡大中。
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タイ国内への生産拠点投資も積極化。
新興勢力:シャオミの進出
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中国大手テック企業シャオミ(Xiaomi)がエアコン市場に本格参入。
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タイ国内ではまだ現地生産していないものの、輸入製品が高い注目を集める。
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「高コスパ×スマート機能」を強みに、エアコン出荷台数は2024年第1四半期に前年比63%増。
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シャオミのグローバル小売市場シェアは11.5%を占め、売上は261億元(約1兆円)超に到達。
今後の見通し
中国系新興ブランドの参入により、タイのエアコン市場は価格競争がさらに激化する見通し。各ブランドが市場リーダーを狙い、熾烈なシェア争奪戦が展開されることが予想される。
出所

GDM編集部