台湾系TES、ラヨーンで東南アジア最大のスマート工場を開業 延床2.66万㎡
今週のタイ事業用不動産市場では、EECを中心に工業用地・工場開発の具体的な進展が相次いだ。台湾系TESはラヨーン県で2,400万ドルを投じたスマート製造拠点の第1期を正式稼働。TBCもラヨーンで工業団地用地を計3,300ライ追加開発する計画を明らかにした。
このほか、バンナーではメガバンナーの60億バーツ規模の増床工事が実際の施工段階へ進み、プーケットでは日系・東京建物が175室のホテル開発事業への参画を正式発表した。
今週の注目|台湾系TES、ラヨーンで2,400万ドルのスマート工場を開業 東南アジア最大の生産拠点に
2026年10月29日|CityBuzz

タッチディスプレー関連製品を手掛ける台湾系企業グループのTESは、ラヨーン県に建設したスマート製造拠点の第1期を正式に稼働させた。
新工場への初期投資額は2,400万米ドル(約8億1,000万バーツ)。WHA Rayong Industrial Land(WHA RIL)内に位置し、TESにとって東南アジア最大の単一生産拠点となる。
TESの発表によると、敷地面積は4万2,399㎡、建物面積は2万6,630㎡。第1期には製造施設のほか、事務所や従業員向けの関連施設も整備されている。
現在の従業員数は約300人で、タッチモニターや一体型PC、車載用タッチディスプレーモジュールなどを生産する。
計画上の月産能力は、7~55インチのタッチモニター・一体型PCが6万5,000台、SMT関連製品が30万台、車載用タッチディスプレーモジュールが12万セットなどとなっている。今後は組立ライン1本とボンディングライン2本を追加し、中・大ロットのOEM・ODM需要への対応能力を高める計画だ。
TESは中国とタイの2拠点を組み合わせる「Dual-Core Smart Manufacturing」戦略を推進しており、タイ拠点には既存のチョンブリ・ラヨーン事業を段階的に統合していく方針を示している。
WHAによると、同じ台湾系企業グループに属するTES TechnologyとTPK Auto Techの製造施設は、WHA RIL内で合計50ライ超の土地を利用している。ただし、この50ライ超はTES単体の敷地面積ではなく、両社を合わせた規模である。
ラヨーンの新工場はスワンナプーム国際空港から約113km、レムチャバン港から約70kmに位置し、EEC内の工業インフラと港湾物流へのアクセスを生かす。
今回の案件は、工業用地取得から工場建設を経て実際の稼働段階へ移った大型製造案件であり、電子部品・車載電子機器関連企業によるEECへの生産拠点集約が続いていることを示す事例となる。
あわせて押さえたい3つの動き
01|TBC、ラヨーンの工業団地を3,300ライ拡張へ AI・データセンター需要に対応
2026年11月2日|Money & Banking
Tribeca Enterprise(TBC)は、ラヨーン県で開発するLK-RICH工業団地について、既存区域に加えて新たに計約3,300ライの工業用地を開発する方針を明らかにした。
追加開発は、LK-RICH Phase 3の約1,700ライと、新たなLK-RICH 2の約1,600ライで構成する。両案件を合わせた追加開発面積は約3,300ライとなり、既存のPhase 1・2を含めると、TBCが展開する工業用地は最終的に約7,635ライへ拡大する計画だ。
Phase 3では約1,275ライ、LK-RICH 2では約1,200ライを販売可能用地として想定している。Phase 3については現在、土地取得や工業団地設置に向けた手続きを進めており、2027年上期の開発手続き完了、2028年からの土地引き渡し開始を目指す。
同工業団地ではEV関連産業に加え、AI、データセンター、電子部品など新たな産業需要の取り込みを強化する。既存Phase 1・2の面積は合計4,335ライ。TBCによると、現在の販売可能な残存用地は約780ライとなっている。
また、すでに販売済みだが所有権移転前となっている土地は657ライで、金額ベースでは約36億1,369万バーツのバックログを抱える。
既存区域では19工場が立地し、入居企業による累積投資額は1,300億バーツ超とされる。元記事の英語タイトルでは「1.3 billion baht」と表記されているが、本文では130 billion bahtと説明されており、記事では本文数値を採用する。
工業団地内では電力・水インフラも増強する。現在、少なくとも100MWの予備電力容量を確保しており、2027年には上水生産能力を日量7,500㎥追加し、排水処理能力も日量1万3,200㎥増強する計画だ。
AI・データセンターなど電力・水使用量の大きい産業を誘致するには、単なる工業用地供給だけでなくユーティリティ容量の確保が重要になる。TBCの追加開発は、ラヨーンにおける将来の工業用地供給を考える上でも注目される。
02|メガバンナー、60億バーツの増床工事が進行 商業床17万㎡を追加へ
2026年10月30日|Thansettakij
バンコク東部の大型商業施設メガバンナーで、60億バーツを投じる大規模増床プロジェクトの工事が進んでいる。
Central PattanaとIkano Centresは2026年6月、メガバンナーを約17万㎡増床する計画を発表していたが、10月末の現地取材で旧駐車場部分などで実際に工事が進行していることが確認された。
今回の増床では、商業スペースなどを含むGBA(延床面積)約17万㎡を新たに整備し、駐車場も1,750台分追加する。
完成は2028年第3四半期を予定。増床後のメガバンナー全体の開発面積は約80万㎡に達する見込みだ。
新エリアには、小売・飲食施設に加え、ウェルネスやコミュニティ機能などを組み合わせる。
約7ライの「MEGA SKYLINE」や約2,000㎡の飲食エリア「MEGA LOFT」なども計画されている。今回の60億バーツの増床は、メガバンナー周辺で進められている長期的な「Megacity」マスタープランの一部となる。
長期計画では325ライ超の敷地で、総開発面積130万㎡超、総事業価値約700億バーツを想定し、将来的にはオフィス、ホテル、住宅などの導入も検討している。
出所:Thansettakij / Megabangna
03|日系・東京建物、プーケットの175室ホテル開発に参画 2027年冬開業へ
2026年10月29日|東京建物
東京建物は10月29日、タイ現地法人Tokyo Tatemono (Thailand)を通じて、プーケット県で開発中のホテル「voco Phuket Bangtao」に参画したと発表した。
東京建物にとってプーケット初の不動産開発事業となる。
事業地はプーケット県タラーン郡のバンタオビーチエリアで、プーケット国際空港から車で約30分。高級ホテルやヴィラ、商業施設が集積するリゾートエリアに位置する。
ホテルは敷地面積約3,400㎡、延床面積約1万1,100㎡で、地上7階建てと6階建ての建物から構成する。
客室数は175室。レストラン、バー、プール、フィットネスジム、キッズクラブなどを備える。
ホテルの運営はIHGが担当し、プレミアムホテルブランド「voco」として開業する。
建設工事は2025年10月に着工済みで、2027年夏頃の竣工、2027年冬頃の開業を予定している。
東京建物は、プーケットを中心に不動産開発を手掛けるRhom Bho Property(TITLE)グループとの共同事業として参画する。
出所:東京建物

GDM編集部







