次期トランプ政権がタイに与える影響とは?
2024年の大統領選挙でトランプ氏が再び政権を担うことが決まった。今後は今まで以上に強硬な貿易政策が予測される。
具体的には、中国製品に60%の関税を課し、アメリカが輸入する年間3兆ドル分の外国製品すべてに10〜20%の追加関税を導入する計画が進行しているという。
タイ開発研究所(TDRI)はこの政策がタイに及ぼす影響について、中国製品がアメリカで高関税を課されることで、これらの製品がアメリカ市場から、タイを含む近隣諸国の市場に流入する可能性が高まると警告をしている。
価格面での影響は少ないものの、タイ市場への中国製品の浸透が深まることで競争環境が変化することは避けられない。
サプライチェーンの再構築の可能性も
一方で、米国が中国以外のサプライチェーンの構築を求める動きも見られる。
米国が中国に依存しない輸入先を確保する必要に迫られる中で、タイはその受け皿としての競争力を強化することで、恩恵を享受できるかもしれない。これはタイ経済にとって新たなチャンスとなる可能性がある。
タイ商業大臣も、トランプ政権の政策に備え、米中貿易摩擦の影響を軽減したい企業に向けた新たなインセンティブの提供を検討していると発表した。実際、タイ投資委員会(BOI)の最新報告では、2023年の最初の9か月間で投資提案額が前年比42%増の7230億バーツに達し、これは2015年以来の最高額となっている。
投資の多くは電子機器やデータセンター分野であり、米中企業からの提案が中心だ。
Source:
Seizing the opportunity: How Thailand could ride US-China trade war
Thailand readies strategy to prosper in Trump era
GDM編集部